「咳が止まらなくてつらい」
「咳のせいで夜眠れない」
「風邪は治ったのに咳の症状だけ続いている」
このように、長引く咳でお困りではありませんか。
「咳=風邪」と思い込む方が多いでしょう。確かに、風邪が咳が長引く一因と考えられます。
しかし、咳が長引く原因は風邪だけではありません。長期的に治療が必要となる病気が潜んでいる場合もあります。
この記事では咳が止まらない原因と対処法について詳しく解説します。
特に、咳が止まらなくて睡眠や日常会話に支障をきたしている方に読んでいただきたい記事です。
この記事を読むと、咳が止まらないときの正しい対処法がわかるでしょう。
是非この記事を参考に、咳を改善するために適切な対処法を行いましょう。
咳のメカニズムは異物から体を守る「防御反応」
咳は、異物から体を守る防御反応のひとつです。
ホコリやウイルスなどの異物が体の中に入ると、気道にあるセンサーから脳の咳中枢に伝えられ、反射的に咳で体外に追い出そうとします。
咳はマイナスの印象がありますよね。
しかし、体を守るためには、咳をむやみに止めない方がよいでしょう。
とはいえ、咳を早く止めて楽になりたいですよね。
そのような方は、次から紹介する対処法を試してみてください。
咳が止まらないときにすぐ実践できる対処法5選
咳が止まらない症状に効果的な対処法は次の5つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
部屋の加湿・水分補給する
咳が止まらないときは、こまめな加湿や水分補給で喉の乾燥を防ぐことが大切です。
喉がカラカラに乾燥していると、喉を守っている気道の粘膜の働きが弱くなります。気道への刺激が強くなるため咳が出やすくなるのです。
すぐにできる乾燥対策には、以下の方法があります。
- 湿度を40~60%に保つ
- 加湿器を使用する
- 濡れマスクをつける
- 湯船に入る
- 水をこまめに飲む
乾燥から喉を守りましょう。
喉を温める
咳を鎮めるためには、喉を温める事も効果的です。
冷気が刺激となり、咳を出やすくする一因となります。
逆に喉を温めると暖かい空気が気道を通るため、咳を防げるのです。
喉を温めるには、以下の方法がおすすめです。
- マフラーを首に巻く
- 温かい飲み物を飲む
- 胸や背中をカイロで温める
咳が止まらないときには、喉を冷やさないようにしましょう。
腹式呼吸をする
咳が止まらないときにはお腹で呼吸をする「腹式呼吸」もおすすめです。
腹式呼吸は以下の方法でできます。
- 息を吐き切る
- お腹に手をあてる
- 鼻から息を吸ってお腹を膨らませる
- 口をすぼめてゆっくり息を吐く
咳が辛いときは、腹式呼吸を意識してみましょう。
咳に効果的な食材を食べる
咳が続いて辛いときには、次の食材を食べるのもおすすめです。
- はちみつ
- ナシ
- リンゴ
- ネギ
- 大根
これらの食材には、のどを潤す効果や抗菌・抗炎症作用があるため咳によいと考えられています。
特にはちみつは、医療の論文や研究でも咳の症状に効果があるという結果が出ています。
ただし、咳の悪化や他の病気のリスクがあるため、次の点に注意しましょう。
- 1歳未満のお子様には、はちみつを避ける
- 辛い味付けにしない
- 食材を温めすぎない
咳が続いてるときは、紹介した食材を取り入れてみましょう。
ツボ押しを行う
咳に効果があるとされているおすすめのツボは次の3つです。
- 中府(ちゅうふ)
-
鎖骨の外端下のくぼみから指1本分下の場所
- 尺沢(しゃくたく)
-
肘のしわの延長線上にある、親指側の凹み
- 天突(てんとつ)
-
鎖骨と鎖骨を結んだ中間のくぼみ
ツボ押しは道具なしですぐに行えます。咳が止まらないときに押してみてくださいね。
それでも咳が止まらないときは薬の使用を検討しよう
セルフケアだけでは咳が止まらない場合もあります。
どうしても咳が辛い場合には、我慢せずに薬の使用も検討しましょう。
ここからは咳に効果のある2種類の薬について説明します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
咳止めの使用
咳が止まらない時には、「コデイン」や「デキストロメトルファン」が配合された咳止めがおすすめです。
これらの成分は、咳中枢の働きをブロックして咳を止める効果があります。
特に乾いた咳の方におすすめです。
「コデイン」「デキストロメトルファン」が含まれた市販薬には、次のような商品があります。
- 「コデイン」が含まれた市販薬
- アネトンせきどめ錠
- トニン咳止サット
- 「デキストロメトルファン」が含まれた市販薬
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩YO錠
- メジコンせき止め錠Pro
便秘や眠気の副作用のリスク、小さなお子様には使えないなどのデメリットもあるため注意しましょう。
市販薬の中には、咳止め成分に痰切りや鼻水止めなどを複数組み合わせてある薬もあります。
ご自身の症状に合った薬を自分で選びましょう。
漢方薬の使用
咳の症状に効果のある漢方薬には、次のようなものがあります。
- 乾いた咳の場合
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
- 甘草湯(かんぞうとう)
- 痰が気になる咳の場合
- 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
- 清肺湯(せいはいとう)
咳止めと同じく、症状に合ったものを選ぶことがポイントです。
症状に合わない漢方薬を選んでしまうと、効果がない場合もあります。漢方薬の選び方が分からない方は、ドラッグストアの登録販売員または薬剤師に相談しましょう。
咳が止まらないときに受診すべき目安
止まらない咳が「2週間」以上続くようなら、受診をおすすめします。
咳の原因の多くは、風邪をはじめとする感染症といわれています。
感染症が原因である咳のほとんどは、2週間以内に改善する場合が多いです。
2週間以上続く場合は、要注意です。気管支ぜんそくや慢性閉塞性肺疾患(COPD)など治療が必要な病気が隠れている可能性があります。
次の症状をチェックしてみましょう。
- 咳に加えて、息苦しさがする
- 咳に加えて、熱やだるさがある
- 早朝や夜間によく咳をする
- エアコンや冬の冷たい空気で咳が出る
- 階段や少し運動で息切れがする
- 呼吸音が「ヒューヒュー」「ゼーゼー」する
- 咳止めや漢方薬が効かない
1つでも当てはまれば、風邪以外の病気が隠れている可能性があります。気になる方は呼吸器内科を受診しましょう。
近くに呼吸器内科がない場合は、内科や耳鼻科でも対応してもらえます。
咳が止まらないときによくある質問
最後に、咳が止まらないときによく挙げられる質問に回答します。
それでは、詳しく見ていきましょう。
生姜は食べない方がいい?
咳が止まらないときでも、生姜は食べても問題ありません。喉を潤す成分と一緒に摂取することをおすすめします。
漢方学的には、体や気管支の粘膜を乾燥させる効果があると言われています。
そのため乾燥が原因の咳には向いていないでしょう。
しかし、生姜には咳に対して次のような効果が期待できます。
- 抗炎症効果
- 抗酸化作用
- 殺菌作用
- 発汗作用
咳に対して良い効果もあるため、一概に「咳に生姜はNG」というわけではありません。
具体的には、次のような方法で日頃の食事に生姜を取り入れるとよいでしょう。
- 生姜湯にする
- すりおろした生姜を味噌汁やうどんなどの汁物に入れる
- 生姜飴を食べる
- はちみつやうめなど喉を潤す食べ物を混ぜる
工夫して生姜を取ると、咳の改善の助けとなるでしょう。咳が止まらないときには試してみてください。
咳の予防方法は?
喉の刺激や負担を減らすと、咳の予防もできます。
具体的な咳の予防方法の例は、次のとおりです。
- うがいをする
- こまめに水を飲む
- 香辛料や炭酸飲料など喉に刺激の強い飲食物の摂取を控える
- カラオケやスピーチなど喉を使う行為を避ける
- 禁煙する
- マスクを着用する
咳がとまらないときは、喉をいたわることが大切です。ご自身に合った方法から試してみてください。
病院での検査にはどのようなものがあるの?
咳が止まらないときに病院に受診した場合、原因を探るために次のような検査を行います。
検査の種類 | 検査方法 |
呼吸機能検査 | 息をたくさん吸い、たくさん吐いて、肺活量や肺機能を調べる |
画像検査 | 胸部X線検査、CT検査などで肺に異常がないかを調べる |
呼気一酸化窒素検査 | 吐いた息の一酸化窒素濃度を測定し、気道の炎症の程度を調べる |
血液検査 | 採血をして、アレルギーや炎症の有無を調べる |
検査内容は病院や医師の判断によって変わります。受診の際は、医師の指示に従って検査を受けましょう。
咳が止まらないときは生活習慣を見直そう
本記事では、咳が止まらないときの原因や対処法について解説してきました。
咳は本来、体から異物を守る防御反応です。そのため、いきなり薬を使用してむやみに止めないほうがよいでしょう。
まずは、今回紹介した対処法を実践してみてください。
コメント